お知らせ

2018.8.28

法務情報

住宅宿泊事業法施行後の動き

住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が2018年6月15日に全面的に施行されました。
 
 
その前の段階で、いわゆるいままで事実上、airbnbなどの民泊サイトに掲載されていた無許可民泊の物件の掲載が削除されました。同サイトでは、それまで掲載されていた物件の8割程度が掲載されなくなったとも言われています。
 
 
その結果、何が起こったのでしょうか。
 
 

一つは、適法に運用されている物件、つまり、住宅宿泊事業法に基づく物件であったり、特区民泊であったり、旅館業許可を取得している物件に需要が集中しました。

 
 
当然といえば当然ですが、ホテルではなく民泊物件に宿泊したい、という需要があるわけで、需要がかわらないまま、サイトに表示される物件数=供給量、が8割減ったわけですから、結果がどうなるかは明らかです。
 
 
これからもしばらくは、適法物件が民泊需要を捉えて高稼働していくように予想されます。
この点については、9月10月に実施する民泊×マンスリーセミナーでもお話ししたい、と思っています。
 
 

もう一つ起こったことは、法施行に伴うトラブルです。

 
 
以前より、不動産会社さんにより、「民泊運用が可能な物件を媒介して売買する」というだけではなく「民泊運用が軌道に乗った物件を媒介して売買する」というビジネスモデルが存在していました。
 
 
そのような物件の中には、事実上、住宅宿泊事業法の施行前の今年6月まではairbnbなどへの掲載ができる状態であったため、必ずしも許可物件ばかりが売買されていたわけではなく、将来的には許可や届出がなければならない民泊物件が流通していましたし、購入者も法改正が予定されていることを認識しながら購入していたというケースもあります。
 
 
このような物件は、当然、新法施行に伴い、サイトに掲載できなくなったり、民泊運用が成り立たなくなりました。
 
 
再度、掲載されるためには適法な許可等を取得する必要があり、旅館業の許可取得の方向や、住宅宿泊事業法を利用した二毛作モデルなども検討することになります。
 
 
ですが、もともと住専エリアで旅館業の許可が取得できないエリアだったり、住宅宿泊事業法の稼働では採算が取れない物件だったり、新法の届出を行うには火災報知器等々でコストがかかる、などなどで問題が生じてきます。
 
 
民泊物件の購入は投資物件の購入であり、民泊事業を展開するのであれば事業展開ですので、将来的にその物件が民泊物件として継続できるのか、あるいは、一定のコストをかけて許可を取得しなければ継続できないのか、撤退あるいはマンスリー等々での運用に切り替えなければならないのか、自ら様々な情報を取得して検討しておくべきなのでしょうが、民泊の利回りがよいことだけが先だって、十分な検討のないまま物件を購入しているようなケースでは、トラブルになるケースもあります。
 
 
「民泊物件なのに、民泊できなくなってしまったじゃないか」というものです。
 
 
そして、行き着く先は、民泊目的で賃借したものの、新法施行で事業が成り立たなくなり、解約・撤退するケースも少なくありません。
そうすれば、解約について、どのような契約にしたか、違約金の設定があるかどうか、といったところが問題になってきます。
 
 
結果、民泊運用ができなくなった物件が少なくないようで、今回の法施行をきっかけに、撤退する方も多いようです。
そういった方をターゲットとして、スムーズに民泊から撤退することができるようにと、民泊撤退サービスなども提供され、話題になっています。
 
 
不動産会社さんの中には、民泊撤退サービスを通して、撤退物件を利用して賃貸物件の仕入れにつなげようという動きもあるようです。
 
 
とりとめのない話になってしまいましたが、法施行に伴う動きでした。
教訓としては、適法性を意識したビジネスモデルはやはり優位に立つ、といったところでしょうか。
 
弁護士:大橋

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